療育とは?療育の定義や発達障害との違い、支援施設などについても解説

コラム

2023/12/04

 

「福祉の仕事に興味がある」「療育ってどんな仕事だろう?」

福祉の仕事を調べているとき「療育」という言葉に出会ったことはありませんか?

療育は、障がいを持つ子供たちの成長と発達をサポートする大切な取り組みです。

今回は「療育」について、詳しい内容から支援施設、仕事内容まで解説します。

 

 

もくじ

療育とは

療育を担う支援施設

療育に携わるお仕事と内容について紹介

まとめ

 

 

 

療育とは

療育、または発達支援は、障害のある子どもや成長に心配のある子どもたちに対して、身体的な障害、学びにくさ、発達の遅れなどをサポートすることを言います。療育は、子どもたちが発達に関する課題を克服し、将来的に自立した生活をし社会に参加できるように手助けします。

 

療育は医療と教育のアプローチを組み合わせたもので、かつては身体的な障害の子どもたちの自立を支援するために使われました。しかし、今では発達に関する懸念がある子どもたちも対象となっています。

療育と発達障害の違いは、簡単に言うと発達障害は診断される状態で、発達支援はその状態に対処するための支援やアプローチのことです。

 

発達障害は、発達障害者支援法においては「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。

 

発達障害は、特定の問題や遅れがある子供や成人に関する医学的な診断で、日常生活において人間関係、コミュニケーション、学習などに影響を及ぼすことが多い症状がでます。

 

逆に療育(発達支援)は、発達障害や遅延を持つ人々に対するサポートや手助けすることをいい、一人一人の子どもに合わせて専門家がアドバイスや介入を行い、彼らの成長と発達を支えます。発達支援の一環として特別教育、リハビリ、心理療法など様々な取り組みがあります。


 

 

療育を担う支援施設

療育センターは、一般的には障害のあるお子様に対して、個別に合わせた治療や教育を提供する専門機関です。ただし、療育センターの具体的な定義は法律や制度によって明確に規定されておらず、その施設の性格やサービスは多岐にわたります。一般的に、児童福祉法で定められる施設の中で、療育センターの機能を提供している場合がほとんどですが、一部の施設ではさまざまな専門機能が統合されていることもあります。以下で児童福祉法における施設をご紹介します。



〇障害児通所支援

・児童発達支援

児童発達支援は、障がいのある未就学児を対象に、日常生活での自立支援や機能訓練、そして保育園や幼稚園のような遊びや学びの場を提供します。生活に必要な動作の指導や、集団生活での適応支援も行われ、お子様の健やかな成長をサポートします。

 

・放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、障がいのある児童(小・中・高校生)を対象に、放課後や夏休みなどの時間を活用し、日常生活の向上に向けたトレーニングや、集団生活における適応支援を提供します。授業が終わった後や学校が休みの日に、生活能力の向上や社会的なコミュニケーション促進のため、さまざまな活動をします。

 

・保育所等訪問支援

保育所等訪問支援は、障がいのある児童を対象に、集団生活をおこなう施設を訪問し、直接児童への指導や施設スタッフへの専門的な指導を行うサービスです。専門知識を持つ児童指導員、保育士、理学療法士などが、障がいのある児童が通う保育園や幼稚園を訪問し、児童やスタッフに対して、集団生活に適応するためのサポートや支援方法を指導します。

 

〇障害児入所支援

・福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、知的障害児、身体障害児、精神障害児を対象に、福祉的な支援を提供する大切な場所です。ここでは、生活に必要な動作の指導や身体能力向上のトレーニング、保護などのサポートを行い、家庭での養育が難しい子どもたちを保護します。また、食事、入浴、排せつなどの身体介護や、日常生活に必要なスキルや知識の習得なども支援します。さらに、地元の学校との交流を通じて、社会とのつながりを促進する施設もあります。

 

・医療型障害児入所施

医療型障害児入所施設は、自閉症児や重症心身障害児を支援するための施設で、福祉的な支援に加えて医学的なケアを提供する重要な場所です。ここでは、福祉型障害児入所施設の機能に加え、治療や看護、医学的な管理が行われ、食事、排せつ、入浴なども医学的な視点から支援します。子どもたちの健康と安全を最優先に考え、専門的な医療ケアを提供し、家庭での養育が難しい場合でも安心して生活できるようお手伝いする役割があります。


 

 

療育に携わるお仕事と内容について紹介

療育に携わる仕事にはたくさんの種類や仕事それぞれに大切な役割があります。

仕事の種類や仕事内容についてご説明します。

 

〇保育士

主な仕事

・基本的な生活習慣と行動の支援:

子供たちが日常生活で必要な基本的なスキルや習慣を身につける手助けを含みます。具体的には、食事の自己管理、衛生習慣の習得、着替えやトイレの使用など、日常の活動に関連するスキルを教えたり、サポートしたりします。

 

・集団での適応力の育成

子供たちが社会的な環境で他の子供たちと協力し、コミュニケーションを取りながら活動できるようにすることを指します。集団でのルールやマナー、友情や協力の概念を理解し、実践できるように指導します。

 

・発達支援と成長の観察

保育士は子供たちの個別の発達ニーズに合わせた支援を提供し、その過程で子供たちの成長を密接に観察し、評価します。この観察を通じて、必要な調整や新たな支援の提案を行います。


〇児童指導員

療育の児童指導員は、発達障害を抱える子供たちに対して教育的なサポートを提供し、特に児童発達支援施設や放課後等デイサービスなどの場で活動します。子どもたちに必要な支援をできるように特別な児童指導員任用資格が必要が必要になります。

 

主な仕事

・発達障害児のサポート

児童指導員は、発達障害を持つ子供たちに対して、個々の発達段階や特性に合わせた支援を提供します。これは、コミュニケーション能力の向上、学習スキルの強化、社会的な適応力の養成などを含んでいます。

 

・教育的な活動の計画と実施

児童指導員は、子供たちの成長と発達に適した教育的な活動やプログラムを考案し実施します。そのために、教材の選定や教育的なゲーム、アート活動、運動など様々な取り組みを実施します。

 

・個別支援計画の策定

児童指導員は、各子供の個別支援計画を作成し、進捗をモニタリングし、必要に応じて調整します。子供の家族や専門家と連携し、最適な支援を確保することも含んでいます。

 

保育士資格を持つ人々は、児童指導員としても活動できますが、保育士の方が雇用機会が広いため、就業先を選択する幅が広くなります。児童指導員の資格を持つことで、より専門的な発達支援に特化した職場での活動が可能になります。


〇児童発達支援管理責任者(児発管)

児発管は、子供たちの発達と福祉に焦点を当て、療育の効果的な推進と支援体制の構築に尽力します。彼らの役割は、子供たちと家族にとって重要で、多くの異なるスキルと専門知識が必要とされます。

 

主な仕事

・療育の推進リーダーとして尽力する

児発管は、子供たちの発達状況やニーズに応じて、家庭や関係機関と連携をとり、療育の計画と実施をリードします。子供たちの発達支援を総合的に調整し、質の高い療育を推進します。

 

・個別支援計画の策定と指導

個別支援計画の作成から始まり、スタッフへの助言と指導を通じて、児発管は質の高い療育プログラムを確保します。そのため、子供ひとりひとりのニーズに合わせた効果的な支援が提供されます。

 

・多領域の支援

児発管は、子供たちが日常生活や社会生活ができるように必要なスキルと能力を育成するため、健康、生活、運動、感覚、認知、行動、言語、コミュニケーション、人間関係、社会性の5つの領域に関する支援を提供します。

 

・家族への支援

児発管は、心理的および物理的な支援を通じて、子供たちの家族の負担を軽減し、安心して子育てができる環境を整える役割を果たします。これには、情報提供や家族へのカウンセリングも含んでいます。



〇言語聴覚士(ST)

主に「ことば」、「きこえ」、「食べる」に関する障害や問題を抱えた小児や成人を対象に、サポートやリハビリテーションを提供する専門職です。彼らは医療専門職であり、国家資格を持つため、長期間にわたって安定して働くことができる職業です。

 

主な仕事

・言語療法

言語聴覚士は、言語やコミュニケーションに関する障害を持つ人々に対して、発声、発音、語彙、文法などの言語スキルを改善する療法を提供します。これにより、患者がより効果的にコミュニケーションできるようになります。

 

・聴覚療法

「きこえ」に関連する問題を抱える患者に対して、補聴器の選定や調整、聴覚訓練を行います。聴覚療法により、患者の聴覚能力が向上し、音声情報を適切に処理できるようになります。

 

・食事と摂食の評価と訓練

言語聴覚士は、「食べる」に関する問題を抱える患者の食事や摂食の評価を行い、安全かつ効果的な食事摂取方法を訓練します。これには、飲み込みの困難さや嚥下障害の治療も含まれます。

 

言語聴覚士は、言語、コミュニケーション、聴覚、食事摂取に関連する健康上の問題に取り組み、患者の生活の質を向上させる重要な専門家です。個々の患者のニーズに合わせてカスタマイズされ、言語やコミュニケーションの障害を克服し、生活の質を向上させる役割を果たします。

 

〇作業療法士(OT)

主に発達障害の子供たちを対象に、日常生活動作、遊び、運動、学習、社会生活技能などの発達を促進する役割を担います。

 

主な仕事

・感覚統合と運動療法

作業療法士は、子供たちが遊びや運動を通じて感覚を調整し、身体のコントロールや協調性を向上させる支援を提供します。例えば、ブランコ、滑り台、砂遊び、粘土遊びなどの遊びを活用し、子供たちが楽しみながら感覚の発達を促進します。

 

・相談と協力

作業療法士は、発達障害の子供だけでなく、その家庭、保育園、学校などで子供を支援する関係者と連携し、相談に乗ります。協力体制を築き、子供の発達と福祉に向けた共同作業を支援します。

 

・支援と改善

子供本人へのサポートや環境の調整を行い、その結果を評価します。必要に応じて、支援方法を変更したり、改善策を実施したりします。

 

作業療法士は、さまざまな領域でのスキルと知識を活用し、子供たちが日常生活や学習、社会生活で成功するための支援を提供します。彼らは発達障害領域、身体障害領域、精神障害領域、老年期障害領域など、多くの健康領域で活動し、個別のニーズに対応する専門家としての役割を果たしています。

 

〇理学療法士(PT)

理学療法士は、主に発達障害領域の子供たちに対して、心身の発達サポートを提供します。彼らは、発達障害が確定した子供たちだけでなく、診断がついていないが発達に遅れが見られる子供たちに対するケアも行います。

 

・専門的なサポート

理学療法士は、子供たちの心身の発達における専門的なサポートを提供します。医学的な視点から、発達障害や発達遅延に対する適切なケアを提供し、発達を促進します。

 

・医学的な知識と経験

・理学療法士は、医学的な背景や知識を持っており、子供たちの健康と発達に関する専門知識を活かして、的確な計画と治療プランを立案します。

 

・家族への支援

理学療法士は、子供たちだけでなく、その家族にも支援を提供します。彼らは家族と協力し、発達支援のプロセスに家庭を組み込み、子供たちの成長と発達をサポートします。

 

理学療法士は、子供たちの発達に関する医学的な知識を持ち、専門的なスキルを活かして子供たちとその家族を支援する役割を果たしています・

 

〇公認心理士/臨床心理師(心理指導担当職員)

公認心理士と臨床心理士は、心理学の分野で専門的な支援を提供する職業ですが、それぞれ異なる特徴を持っています。

 

「公認心理士」

・国家資格

公認心理士は、心理学において唯一の国家資格です。このため、国家権威から認められた専門家として活動します。

 ・心理的支援

公認心理士は、心理学の理論と方法を駆使して、心理的な支援を必要とする人々に対して、分析、助言、指導などを提供します。これには、カウンセリングや心理的評価も含まれます。

 ・資格特性

資格が比較的新しいため、まだ資格取得者が少なく、業務内容は臨床心理士と類似しています。

 

「臨床心理士」

・民間資格

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会によって認定される民間資格です。国家資格ではなく、協会が認定する専門家です。

・取得条件

臨床心理士になるためには、協会が認定する大学院を修了する必要があります。これには一定の学術的要件が含まれます。

・更新要件

臨床心理士は資格の有効期限があり、定期的に更新が必要です。更新には継続的な教育と専門的な活動への参加が必要です。

 

公認心理士と臨床心理士は、心理学に基づく専門家であり、心理的な支援を提供しますが、資格取得方法や更新要件、資格の性質が異なります。公認心理士は国家資格であり、臨床心理士は民間資格です。それぞれの役割は、心理的な問題に対処し、個人やグループの健康と幸福を促進するために不可欠なものとなっています。



 

まとめ

今回は、療育についてや療育にかかわる施設や仕事についてお話しました。

療育は、発達支援において極めて重要な取り組みであり、専門家の知識と家族へのサポートが欠かせません。

また、療育にかかわる仕事は、子供の発達の課題を少しでも手助けでき、達成感や喜びを子供や同僚と分かち合えることも魅力の一つです。ぜひ療育の仕事について興味があればご検討ください。



療育キャリアでは、個々人の希望に合った福祉関係の仕事を紹介しています。無料・簡単に登録できるのでお気軽にご相談ください。

 

この記事の関連記事

自閉症支援のツール徹底ガイド!療育現場で役立つ実践的なツール選びとは?

この記事では、自閉症支援ツールの選び方と具体的な活用方法を解…

この記事では、自閉症支援ツールの選び方と具体的な活用方法を解…

療育の現場における衛生対策の基本や感染症予防の方法について解説

  「福祉の仕事をしたいけど、療育現場の衛生管理ってどんな…

  「福祉の仕事をしたいけど、療育現場の衛生管理ってどんな…

療育におけるマカトンサイン(療法)とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、たまに目にする「マカト…

  福祉の仕事について調べていると、たまに目にする「マカト…

ムーブメント教育・療法とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ムーブメ…

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ムーブメ…

療育におけるインリアルアプローチとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、目にすることがある「イ…

  福祉の仕事について調べていると、目にすることがある「イ…

療育におけるソーシャルストーリーとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ソーシャ…

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ソーシャ…

療育におけるポーテージプログラムとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  皆さん「ポーテージプログラム」という言葉をご存じですか…

  皆さん「ポーテージプログラム」という言葉をご存じですか…

療育における絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事を調べていると目にすることがある、絵カード交…

  福祉の仕事を調べていると目にすることがある、絵カード交…

新着記事

自閉症支援のツール徹底ガイド!療育現場で役立つ実践的なツール選びとは?

この記事では、自閉症支援ツールの選び方と具体的な活用方法を解…

療育の現場における衛生対策の基本や感染症予防の方法について解説

  「福祉の仕事をしたいけど、療育現場の衛生管理ってどんな…

療育におけるマカトンサイン(療法)とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、たまに目にする「マカト…

ムーブメント教育・療法とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ムーブメ…

療育におけるインリアルアプローチとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、目にすることがある「イ…

療育におけるソーシャルストーリーとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「ソーシャ…

療育におけるポーテージプログラムとは?期待できる効果や実施方法について紹介

  皆さん「ポーテージプログラム」という言葉をご存じですか…

療育における絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)とは?期待できる効果や実施方法について紹介

  福祉の仕事を調べていると目にすることがある、絵カード交…

療育における食事療法とは?期待できる効果や実施方法、注意点について紹介

  福祉の仕事について調べていると、療育分野において時折目…

療育における薬物療法とは?期待できる効果や実施方法、注意点について紹介

  福祉の仕事について調べていると、時折目にする「薬物療法…

人気記事ランキング