医療型障がい児入所施設とは?医療型障がい児入所施設の利用方法や仕事内容についても解説
コラム
2023/12/12
児童福祉に関して調べていると目にする「医療型障がい児入所施設」。名前はよく目にするけど、実際どういった施設なのか知りたいという方の為に、ここでは施設の概要から利用対象、利用方法、施設内の仕事の種類と内容まで解説していきます。
もくじ
医療型障がい児入所施設とは

医療型障がい児入所施設とは平成24年4月の児童福祉法の改正に伴い、それまでの肢体不自由児施設、重症心身障がい児施設等の医療法上の「病院」の指定を受けている施設が再編されて一元化された施設の名称です。ここでは入院による治療が必要な「肢体が不自由な児童(肢体不自由児)」、「重度の知的障がいおよび身体障がいが重複している児童(重症心身障がい児)」、「自閉症の児童」が入所することができ、「児童の保護、日常生活の指導、知識技能の付与等の他、治療をおこなう」などの福祉サービスを受けることができます。具体的なサービス内容を見ていきましょう。
1、疾病の治療、看護
入所者の疾病の治療、看護を行います。その為に医師や看護師など医療職がチームで在籍しています。
2、日常生活の基本動作の維持や向上のための訓練
リハビリテーションの専門職である理学療法士または作業療法士、言語聴覚士などが日常生活の基本動作を訓練します。
3、児童の保護、介護
医学的管理下で、食事や排泄、入浴などの日常生活の動作を利用者の病状に併せて介護し、安心で安全な生活ができるよう、環境づくりをすると同時に利用者の保護もおこないます。
4、コミュニケーション支援
他者とのコミュニケーションを取る為の「話す」、「聞く」といった基本的な対話や意思表示のための身体表現などの訓練を行います。レクリエーションを通して交流を図る場の提案も行います。
5、地域社会との連携
利用者が地域社会と関わる場を持てるよう、様々な行事をおこなったり、ボランティアを受け入れることで地域の他機関と連携をとります。
6、社会的自立の支援
利用者が18歳(20歳の場合もある)での退所を迎える際に、他の福祉サービスに移行する支援を行います。
障がい児は18歳になると、適応される法令が児童福祉法から障がい者総合支援法に変わるので、基本的には医療型障がい児入所施設は18歳で退所となります。その場合、自立を目指した支援として地域生活に移行できるように支援したり、他の福祉施設への移行を支援します。
このようなサービスを受けながら、入所者は起床、排泄や更衣、朝食を取り、支援学校などに施設から送迎を受けて通学します。下校後はリハビリテーションや療育活動、その他に余暇支援や入浴支援、就寝介助等を受け、1日を過ごします。
医療型障がい児入所施設の利用方法

医療型障がい児入所施設を利用する場合には、通所の施設と違い「入所受給者証」が必要となります。申請は児童センター、児童相談所でおこないます。申請からサービス開始までの流れを順に見ていきましょう。
1、地域の窓口に相談する
入所希望の児童が在住する市区町村にある児童センターや児童相談所に医療型障がい児入所施設に入所希望であることを伝え、パンフレットやインターネットから希望の医療型障がい児入所施設を探します。
2、希望の医療型障がい児入所施設を見学、面談
希望の施設に赴き、実際にスタッフと面談したり、施設の見学をし、入所したい施設を決定します。
3、利用申請をし、家庭調査、発達検査受ける
児童センター、児童相談所に決定した入所希望の医療型障がい児入所施設の利用申請をし、家庭調査と児童の障がいの種類や程度の検査を受けます。
4、「入所受給者証」の交付、入所申し込み
支給が決定したら「入所受給者証」が交付され、障がい児支援利用計画を作成し、希望した医療型障がい児入所施設と契約を結びます。
5、サービス利用開始
児童が入所し、サービス利用開始となります。
医療型障がい児入所施設の仕事の種類と内容について紹介

医療型障がい児入所施設の人員配置は、まず医療法に規定される「病院」として必要数の「施設の長と医師」が配置されます。医師も場合により「肢体機能の不自由者の療育に関する担当」の経験や、「内科、精神科、神経系の診療科、小児科、外科、整形外科またはリハビリテーション科の診療に関する担当」の経験などの専門的な経験が必要とされます。その他の職種を見ていきましょう。
1、管理者
組織運営全般の管理を行い、労務、収益の管理や利用者との契約、訪問者の対応などもおこないます。管理業務に支障がない場合に限り、他の職務と兼務できます。
2、児童発達支援管理責任者(児発管)
利用者の支援計画の作成、提供するサービスの管理などをおこないます。管理上支障がない場合に限り、他の職務と兼務できます。
3、児童指導員及び保育士
個別支援計画に基づいて利用者に療育を実施し、生活全般のフォロー、心身のケアなどを行います。児童指導員は任用資格ですが、保育士は国家資格なので筆記と実技の試験に合格する必要があります。
4、心理指導担当職員
障がい児に心理学の知識を用いて寄り添い、様々な学習をサポートします。資格は必要ありませんが、大学で専攻していたり、必要な課程を修了している必要があります。
5、理学療法士または作業療法士
身体の障がいにリハビリテーションを行い、症状の緩和や改善を目指します。理学療法士は日常の基本動作を、作業療法士は作業活動を通じての応用的な動作や、身体的機能だけでなく、「精神」に対しても治療を行います。
6、職業指導員
障がい者が就職するために必要な知識と技術を身につけるためのサポートを行います。利用者の適正を判断し、適した仕事への習練、就労の為の社会的マナーも同時に訓練します。国家資格は必要ありませんが、専門的な知識と経験が必要になります。
このように様々な専門職が勤務し、連携したチームサポートを行っています。医療型障がい児入所施設では乳児期から高校卒業までの児童を対象としているので、児童の成長、発達、地域での生活を支えることが必要とされます。
まとめ

医療型障がい児入所施設について詳しく解説してきましたが、利用者は入所することで疾病の治療、看護を受けながら、生活面でのケア、自立を目指す訓練を受けられるだけでなく、様々な行事に参加して地域の人とコミュニケーションを取ったり、楽しみながら安心した生活を送れるのがおわかりいただけたと思います。仕事も国家資格が必要なものから、無資格でもチャレンジできるものもありますし、どれも非常にやりがいのある仕事だと思いますので、是非自分に合った仕事を見つけてチャレンジしてみてください。
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