児童指導員とはどんな仕事?仕事内容や特徴についても解説

コラム

2023/12/12

 

児童福祉に関して調べていると目にすることが多い「児童指導員」という職業。言葉のニュアンスから何となくどんな仕事かイメージできるが、詳しく知りたいという方もいると思います。この記事では児童指導員になる為に必要な資格、仕事内容、保育士との違いや勤務する上での実際の一日の流れなど、詳しく見ていきます。

 

もくじ

児童指導員とは

児童指導員の仕事内容

児童指導員の働き方

まとめ

 

 

 

 

児童指導員とは

児童福祉施設に通所、もしくは入所する子供たちに療育を実施し、健全な育成を支援する職種です。

 

児童福祉施設に通所、入所する子供たちには様々な事情があります。知的障がい、発達障がいなどがあり、児童発達支援や放課後デイサービスに通所したり、医療型障がい児入所施設に入所している子供に対しては日常生活の基本的なサポートから将来の自立、社会と関わる為に必要な「療育」を実施します。また、虐待やネグレクト(育児放棄)などにより、児童養護施設で生活する子供たちには親の代わりとなる生活全般の指導をしていきます。近年特に発達障がいと診断される子供が増えているので、療育施設での児童指導員の需要は年々高まってきていますし、社会情勢の変化もあり、子供たちの抱える問題も多様化しているので、保育の知識だけでなく、心理学、医学に関する知識も求められてきています。

 

1、保育士との違い

同じように児童の指導に当たる職種に「保育士」があります。仕事の内容や勤務する施設が似ていますが、大きな違いは保育士になるには国家資格が必要で、筆記、実技の国家試験に合格する必要があるのに対し、児童指導員は任用資格となります。ですので基本的には保育士の方が就業できる施設が多く、児童指導員が働ける場合、保育士も就業可能となります。

 

具体的には児童養護施設や障がい児発達支援施設などは保育士も児童指導員も働くことが可能ですが、保育所では保育士しか働くことが出来ません。

 

2、児童指導員になるには

先ほどの項目でも触れましたが、任用資格が必要です。

 

「任用資格」とはその仕事に就くために必要な学歴や資格、職歴、実務経験などのことを指しますので、「児童指導員」という資格がある訳ではなく、任用資格を証明する書類が必要になります。これは「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第43条(児童指導員の資格)」に次のように定められていて、どれかに該当する必要があります。

 

○社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持っている

社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持っている場合、任用資格を得られます。(証明書類:資格証の写し)

 

○大学、大学院で所定の専門課程を修了

大学(短大を除く)や大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学のいずれかを専修する学科や研究科を修了している場合、任用資格を得られます。(証明書類:卒業証明書または履修科目証明書)

 

○教員免許状を持っている

幼稚園、小学校、中学校、義務教育校、高等学校、中等教育学校いずれかの教員免許を持っている場合、任用資格を得られます。(証明書類:免許証の写し)

 

○児童福祉施設で2年以上の実務経験がある

児童福祉施設で2年(最終学歴が中卒の場合は3年)以上の実務経験があれば、任用資格を得られます。(証明書類:実務経験証明書、卒業証明書)

 

3、勤務先

代表的なものを3つ紹介します。

○障がい児通所施設

さまざまな障がいを持つ子供が療育を受ける為に通所する施設です。対象年齢により区分され、対象が未就学児の場合は「児童発達支援」、小学生から高校生の場合は「放課後等デイサービス」に当たります。

 

○障がい児入所施設

入所が必要と診断された障がい児が家庭から離れ、生活する施設です。日常生活の基本的動作の指導や介助、身体、心身のケアやさまざまな技能の習得をおこないます。

 

○児童養護施設

虐待やネグレクト、事故や病気での死別などさまざまな理由から保護者と生活を共にできない1〜18歳までの子供を保護、養育します。日常生活の基本から家庭に戻る為の支援、進学や就職の支援もおこないます。

 

なお、児童指導員として5年間勤務すると、講習を受けることで、「児童発達支援管理責任者(児発管)」の資格を取得することができます。

 

 

 

児童指導員の仕事内容

仕事内容を勤務先別に見ていきましょう。

 

1、障がい児通所施設の場合

児童発達支援管理責任者(児発管)が作成した個別の支援計画に基づいて療育をおこない、支援の記録を取ったり、場合によっては支援計画の作成補助もおこないます。その他、利用者の勉強をみたり、保護者対応や各関係機関との連携や利用者の送迎などもおこないます。

 

2、障がい児入所施設の場合

通所施設と同様に個別支援計画に基づく療育の実施、記録や作成補助、学習の補助や保護者対応、関係機関と連携などをおこないますが、入所施設であるので業務の大部分が身の回りの世話になります。重症心身障がいの対象者の場合、身体介護も業務に含まれてきます。

 

3、児童養護施設の場合

保護者の代わりを務めることが必要となるので、日常生活の身の回りの世話や勉強、生活習慣の指導などが主な業務になってきます。その他にも高校、大学への進学や就職に向けての支援とその計画を作ったり、家庭に戻す為の早期退所に向けた調整などをおこないます。また虐待などにより心に傷やトラウマを負っている児童の心のケアも重要な業務となってきます。

 

 

児童指導員の働き方

勤務先によってスケジュールに差はありますが、基本的に子供たちの生活のリズムに合わせて働きます。

 

1、通所施設の場合

児童発達支援であれば、朝、出社してミーティングの後、利用者を車で送迎するところから業務が始まり、療育後、帰りの送迎となります。これが放課後デイサービスの場合であれば、学校が終わった午後の送迎から業務が開始される事になります。児童発達支援と放課後デイサービスの両方を扱う多機能型の複合施設の場合であれば、職員を児童発達支援の担当と放課後デイサービスの担当に分けることで空いた時間を支援ミーティングやプログラムの準備などに当てるなどして効率化を図っています。

 

平日と土曜、祝日は開所していて、日曜は休みということが多く、シフト制で勤務することが一般的です。

 

2、入所施設の場合

入所の施設の場合、子供たちに規則的で健全な生活を送ってもらうことが重要になってくるので、起床の時間や食事の時間、入浴の時間や消灯の時間などが厳密に定められています。このため、24時間体制で子供たちの生活をサポートし、早番(早朝〜下校時刻)、遅番(下校時刻〜就寝)、宿直(午後~翌朝)といった3つの時間帯で交代で勤務するのが一般的です。

 

早番では主に子供たちの起床の手伝い、洗顔と身支度、朝食を取らせ、学校に送り出した後に掃除、洗濯などの雑用をし、子供たちを迎えるまで、遅番では子供たちを迎えてからレクリエーションをして遊んだり、勉強などをして、夕食、入浴、就寝までをサポートします。宿直は定時の館内巡回などの警備の役目が主で、途中に過眠の時間なども与えられます。

 

どちらの場合もタイムスケジュールがしっかり決まっていて、それに合わせて過ごしているので、基本的に毎日同じスケジュールで動くことになりますが、子供が相手である為に予期せぬトラブルが起こるこ゚も多く、その場合には臨機応変な対応が求められます。

 

子供たちに対し、ときに良い先生、ときに良い親となり、生活習慣の指導や悩みの相談に乗ったりと子供たちのすぐ傍で成長を見守るのが仕事と言えるでしょう。

 

 

まとめ

2012年の法改正以降、障がいを持つ子供に対しての支援体制が大きく変わり、支援サービスを提供する施設はそれまでの4倍にも増えました。その社会的認知度と共に児童指導員の需要が増えてきていますし、何より助けを必要とする子供たちの為に働く事はとてもやりがいがありますし、そこから得られるものも多いと思います。一生の仕事として障がいを持った子供たちやサポートが必要な子供たちの為に働きたいという方は是非チャレンジしてみてください。

 

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