公認心理師と臨床心理士の違いってなに?仕事内容や特徴についても解説
コラム
2023/12/12
福祉関連の仕事について調べていると、必ず目にする「公認心理師」と「臨床心理士」という職業。心理学に関連した職業なのはわかるが、もっと詳しい情報が欲しいという人の為に、この記事では公認心理師と臨床心理士の違い、仕事内容、実際の一日の勤務形態など、詳しく解説していきます。
もくじ
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公認心理士師と臨床心理士の違い

2つの職業の違いと、公認心理師になるにはどうしたらいいかを解説します。
1、公認心理師と臨床心理士の違い
「公認心理師」は心の問題を抱えた対象者に心理学の知識と技術を用いて支援をおこなう専門家です。2017年に「公認心理師法」が施行され、心理職としては国内で初めて国家資格として定められました。
「カウンセリング」を通して対象者の心理的問題を分析し、助言や指導をおこなうことはもちろん、心理の専門職として教育活動や情報提供をおこなうことも重要な役割です。
対して「臨床心理士」は日本臨床心理士資格認定協会によって創設された民間資格で、公認心理師が誕生する前は心理職の代表でした。民間資格ではありますが、文部科学省が定めるスクールカウンセラー資格要件にも入っているので、公的に認められた資格です。
現在も2つの資格が存在しますが、「公認心理師または臨床心理士」として人員募集されることも多く、公認心理師のおよそ7割が臨床心理士の資格も持っているという調査結果もありますし、現在の仕事内容や役割としては大きな差がないようです。しかし、医療分野においては診療報酬の加算対象が2018年度より「公認心理師のみ」と限定されたので、今後も新たな制度の整備などが進むと、明確な住み分けがされて行く可能性があります。
その他には、試験の受験資格に実務経験の有無や面接の有無の差、資格の更新の有無などの差があります。
2、公認心理師になるには
国家試験に合格して資格を取得する必要があります。国家試験の受験資格を得る為に、いくつか条件がありますので、みていきましょう。
これから学校に通って受験資格を得る場合
○4年制の大学または専門学校で所定の科目を修了した後、大学院で所定の科目を修了
○大学で所定の科目を修了した後、所定の施設で2年以上の実務経験を積む
○海外の大学で心理に関する科目を修了した後、海外の大学院で心理に関する科目を修了(文部科学大臣、厚生労働大臣の認定が必要)
すでに心理職で働いている、もしくは臨床心理士の学校に通っている場合
○公認心理師法の施行前に大学院に入学し、所定の科目を修了
○公認心理師法の施行前に大学に入学し、所定の科目を修了し、施行後に大学院で所定の科目を修了
○公認心理師法の施行前に大学に入学し、所定の科目を修了し、所定の施設で2年以上の実務経験を積む
となっています。2022年度で終了しましたが、「所定の施設で5年以上かつ週日以上の実務経験があり、現任者講習会を終了する」という方法もありました。試験は年に1回、7月におこなわれ、合格率は40〜50%となっています。
公認心理師と臨床心理士の仕事内容

実際に働く際の仕事内容と役割をみていきましょう。
1、心理査定(心理的アセスメント)
対象者の自己理解であったり必要な支援を判断する為に、面接、心理テスト、行動観察などをおこない、対象者の特性や問題点を明らかにします。それをもとに支援計画を立てていきます。
2、心理支援
心理査定の結果に基づいて心理療法をおこなうことで、対象者の問題の克服や悩み、不安の軽減を目指します。
代表的な心理療法は対象者の話を傾聴することに重きを置く「クライエント中心療法」や、対象者に具体的な提案、行動を伴った「認知行動療法」、絵画や音楽などを通して自己表現するから治療に繋げていく「芸術療法」、子供が主な対象となる、遊びのなかから治療に繋げる「遊戯療法」などがあります。
これらを通して、対象者が自分の心の状態を理解して、自尊感情を取り戻し、自己治癒できるように寄り添います。
3、コンサルテーション
対象者の家族や職場の人に対し、第三者的立場から心理学的側面の助言をおこなって、問題の早期対処や発生予防につなげます。
4、心の健康教育、啓発
情報提供や啓発などを通し、心の健康についての知識を広めるのも重要な役割です。他者との関わり方や、ストレスとの付き合い方、感情をコントロールする方法などの知識と技術を伝え、心の病気にならないような生活のしかたを広めます。場合によって、適切な専門機関を紹介したり、利用を勧めます。
公認心理師と臨床心理士の働き方

勤務先としてもっとも多いのは「保健医療分野」で全体の30%を占めます。次いで「教育分野」、「福祉分野」となっています。また、心理職の傾向として、非常勤で働くひとも多く、全体のおよそ半数ということから、都合の良い時間に働きたいというひとが多い事もあるかも知れませんが、常勤の求人が少ないということも関係しています。代表的な勤務先をみていきましょう。
1、保健医療分野
○医療機関 精神科病院(診療所)、一般病院(診療所)など
○保健機関 保健所、保健センター、精神保健福祉センターなど(公務員として)
2、教育分野
幼稚園(保育カウンセラー)、小中高校(スクールカウンセラー)、教育相談室、教育センターなど
3、福祉分野
児童相談所、児童福祉施設、障害者入所施設、障害者通所施設、相談機関、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、DV被害支援機関など
4、産業、労働分野
企業内の健康管理室や健康管理センター(産業カウンセラー)、従業員支援プログラム(EAP)専門機関など
5、司法、法務、警察分野
少年鑑別所、少年院、刑務所、警視庁、県警本部、家庭裁判所、保護観察所など
6、大学、研究所
大学院、研究機関、学生相談室、臨床心理センターなど
このほかにも「私設心理相談」として個人で、もしくは私設の心理相談機関で働く場合もあり、働き方は勤務先によってさまざまとなってきます。参考までに入所、通所の複合施設での一日のスケジュール例をみてみましょう。
8:00 出勤
8:30 医師などとカンファレンス
9:30 入所者のカウンセリング、心理面接、カルテ作成など
12:00 休憩
13:00 通所者のカウンセリング、心理面接、カルテ作成など
16:00 勉強会(事例検討や疾患勉強会など)
17:00 業務整理、情報収集など
17:30 退勤
まとめ

現代では生活環境の変化やさまざまな問題から心の不調を訴えるひとが年々増加しており、心理職のニーズが高まっていると言われています。国家資格の誕生により、雇用の安定性が期待される反面、まだまだ常勤の仕事が少ないのも現実です。
ですが、人々の心に寄り添い、心の傷が癒えて元気になって行く様を見守っていけるのはとてもやりがいのある仕事だと思います。是非ご検討ください。
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