音楽療法士とはどんな仕事?仕事内容や特徴についても解説
コラム
2023/12/12
福祉の仕事を調べていると、よく目にする「音楽療法士」という職業。名前の響きから何となく想像できるが、詳しい仕事内容などに興味がある。という人の為に、この記事では音楽療法士とは、というところから、仕事内容、具体的な働き方まで、詳しく解説していきます。
もくじ
音楽療法士とは

音楽療法士とは心身に障がいを持っている人に対して、音楽を通してリハビリテーションをする仕事です。
1、音楽療法とは
歌を歌う、楽器を演奏する、音楽を聴く、音楽に合わせて身体を動かすという活動は人の聴覚、視覚、触覚などを刺激し、心身のリラックスや認知、運動機能の改善や維持、他人とのコミュニケーション力の向上などの効果があり、音楽療法はこの効果を元に、子供や障がい者の発達支援、学習支援、高齢者の介護予防やリラクゼーション、病気やケガをした人のリハビリテーションなどの幅広い分野で取り入れられています。
音楽療法には大きく分けて2つの種類が存在し、個別でおこなう場合とグループでおこなう場合があります。
○受動的音楽療法
音楽を聴くことでリラクゼーションや瞑想、精神治療などの効果を得る方法
○能動的音楽療法
対象者と療法士が一緒に歌を歌ったり、楽器を演奏する、身体を動かすなど
2、音楽療法士になるには
音楽療法の専門家である音楽療法士は現在国家資格ではなく、日本音楽療法学会が認定する民間資格が有名です。資格取得までをみていきましょう。
試験の受験資格を得るには、日本音楽療法学会の認定校に通い、音楽と音楽療法の知識、技術に加え、医学、福祉、心理学などの関連分野の知識も学び、課程を修了します。認定校は4年制の大学、3年制の専門学校など、全国に20校程度となっていますが、認定校以外でも音楽系の専門学校などで音楽療法を学べるところは増えて来ています。
過去の試験内容は、筆記試験、実技試験、面接試験が実施されました。
○筆記試験
音楽療法関係、音楽関係、その周辺などから100問
○実技試験
ピアノ、もしくはギターでの弾き歌い
○面接試験
筆記試験で作成した小論文を元に面接
その他にも日本音楽療法学会の正会員になるなど、いくつかの条件を満たした上で資格取得の為の制度に参加する方法もあります。
音楽療法士の仕事内容

音楽療法士は自身でカウンセリングをおこなったり、医師など別のスタッフと連携しながら対象者に合った音楽療法のプログラムを検討し、実践していきます。対象者の年齢や状態に合わせ、受動的音楽療法か能動的音楽療法か、あるいは組み合わせておこなうかも検討します。
音楽療法は対象者のその時の気分や感情の同質のものの方が、より治療効果が大きいとされ、対象者のの状態によって適したもの、効果が大きいものが選ばれます。音楽療法士は日々変化する対象者の心の状態を見極め、適切な方法を取る為に、洞察力と高度な知識が必要になってきます。
1、受動的音楽療法の場合
リラックス効果のある音楽を対象者に聴かせることで、心身ともにリラックス効果を得たり、ストレスの軽減を目指します。
具体的にはクラシック音楽や歌謡曲、対象者の好きな曲や思い出の曲などを使って、精神的なケアをします。
「聴く」ことに重きが置かれた療法なので、対象者の身体の状態に関わらず、障がいのある人や、高齢の認知症患者にも有効な療法と言えます。
2、能動的音楽療法の場合
一緒に歌う、楽器を演奏する、簡単な曲を作る、リズムに乗って踊る、身体を動かすなど、対象者が自発的におこなう音楽療法なので、歌や楽器が苦手でも音を出すことでストレス軽減や気分転換を目指せます。
個別でもおこないますが、グループでおこなうと対象者同士で合唱や楽器の役割分担などができ、仲間意識と社会性を高めることもできます。
音楽を楽しみながら、心の安定を促すことができますし、実際に身体を動かすので、運動機能の回復目的でも効果が期待できます。
これらの療法を用い、効果をみながらプログラムを組んで継続した治療をおこないます。単発のレクリエーションになってしまわないように対象者の反応をみて、より効果的なプログラムにしていくことが重要になってきます。心のケアに注目されがちな音楽療法ですが、心と身体は密接に関わりあっていますので、心の安定から身体も元気になり、リハビリテーションの効果が上がるということも期待されています。
音楽療法士の働き方

海外では資格の地位も確率されている音楽療法士ですが、日本ではまだ民間資格なこともあり、認知度が低いのが現状です。そのため、専任で働く人は少なく、本業との兼任や非常勤、パートなどで働く人がほとんどで、看護師、機能訓練士、介護士などの業務でのカウンセリングやケアをおこなう中で、音楽療法をおこなうという場合もあります。
勤務先としては医療機関や介護福祉施設が主となり、病院、老人保健施設や有料老人ホーム、障がい者福祉施設、特別支援学校などが挙げられます。中にはボランティアとして活動する音楽療法士もいるのも特長と言えます。
では実際の勤務スケジュールを見ていきましょう。基本的には医療や福祉の現場で働くため、勤務先のスケジュールに合わせて働くことがほとんどで、兼務している場合、一日の中で音楽療法士の業務は全体の業務の一部分となります。
通所の施設で相談員と兼務している場合のスケジュールは次のようになります。
8:30 始業準備とスケジュール確認
9:00 始業、利用者出迎え
10:00 利用者と通常の支援業務
12:00 お昼休憩
13:00 他の職員と共に音楽療法の準備
14:00 音楽療法を用いたリハビリテーション
15:00 音楽療法のフィードバック、次回のプログラム検討など
17:00 事務作業、デスクワーク
18:00 終業
このように実際の業務の中での一部として音楽療法をおこない、兼務という働き方をしている人もいれば、非常勤という形で音楽療法のみをおこない、アルバイト、パートとしていくつかの職場を掛け持ちしている人もいます。基本的にはどちらの場合もシフト制となるので、勤務先の形態によって休日が変わってきます。土日休みにしたい場合は土日休みの医療機関かデイサービスなどの福祉施設であれば可能となってきます。
まとめ

音楽療法士の仕事の全体をみてきましたが、日本での認知度がまだ低い為、働き方が難しく、専任ではなかなか募集がないのが現状です。ですが、社会の多様化や心の問題が増えてきた現代では需要と共に認知度が上がってきていますので、将来性がある職種とも言えますし、活躍の場も多岐に渡っています。
音楽が好きで音楽療法士になったという人がほとんどですし、自身も音楽に力をもらったり救われた経験がある人が多いです。音楽の力で人を幸せにしたい、元気にしたいという人は是非検討してみてください。
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