LD(学習障がい)とは?診断基準や特徴、子供への対応方法について解説

コラム

2023/12/12

 

福祉の仕事について調べていると、児童福祉の中でよく目にするLD(学習障がい)という言葉。何となくは理解しているつもりだが、仕事で関わる可能性があるので詳しく知りたい、という方の為に、この記事ではLD(学習障がい)とはどういったものか、診断基準と特長、実際に子供に接する際の注意点など、詳しく解説していきます。

 

もくじ

LD(学習障がい)とは

LD(学習障がい)の診断基準と特徴

LD(学習障がい)の子供への対応の仕方

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LD(学習障がい)とは

学習障がいとはLearning Disabilityを略してLDと表記し、全般的な知的発達に遅れはないが、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算、推論する」といった能力に困難が生じる発達障がいです。症状の表れかたに個人差があり、意識しないと気づかれにくいことも多く、診断が難しい障がいと言われています。これは何らかの脳機能の不具合が原因とされていますが、脳の部位や詳しいことはまだわかっていません。

 

LDのタイプは大きく分けて、3つのタイプに分類されます。

 

1、読字障がい(ディスレクシア)

文字を「読む」ことに困難がある状態のことで、ディスレクシア、読み書き障がい、難読症、識字障がいなどとも呼ばれます。文章を正確に読むことが苦手だったり、すらすら読めない、読めても内容を理解できないなどの症状があります。

 

2、書字障がい(ディスグラフィア)

文字を「書く」ことに困難がある状態のことで、ディスグラフィア、書字表出障がい

などと呼ばれます。バランスの取れた文字を書けない、文字をマスの中に書けず、大きくはみ出してしまったり、鏡に映したように反転した「鏡文字」を書いてしまうなどの症状があります。

 

3、算数障がい(ディスカリキュリア)

算数や数式など「数字」に関する能力に困難がある状態のことで、ディスカリキュリアとも呼ばれます。数の概念が身につかず、数系列の規則性が理解できない、数字や数式の扱い、考えて答えを導き出す推論が苦手などの症状が見られます。

 

これらは本格的な学習に入る小学生頃まで判断が難しく、学校での学習到達速度に遅れが1〜2学年相当あるのが目安となってきます。特定の分野以外は問題なくできるので、発見が難しく、「努力が足りない」、「怠けている」と判断されてしまうこともあります。その結果、子供が自信をなくしてしまったり、傷ついてしまうことがあるので注意が必要です。

 

 

LD(学習障がい)の診断基準と特徴

診断の基準は文章や語句を読むこと、その内容を理解すること、書くこと、数の理解や計算においての「困難さ」が知的障がい(知的発達症)によるものではないこと、経済的、環境的な要因に左右されるものでないこと、神経疾患、視覚、聴覚障がいが原因でないこと、つまり「学習における面」でのみ困難である場合にのみ診断されます。

 

具体的な読字、書字障がいの診断手順の一例を紹介します。

1、知能機能評価

Wechsler式知能検査などの標準化された知能検査により、知能指数(IQ)が知能障がいのレベルでないことを確認します。

2、読字書字検査

ひらがな音読検査をおこない、流暢性や正確性を確認します。「特異的発達障がい診断、治療の為の実践ガイドライン」に基づき、4種類の音読検査をおこない、STRAW-R、KABC-Ⅱ習得度検査、CARD等により、漢字やひらがなの習字書字到達速度を測ります。近年では英単語の読み書きに関する検査をおこなう場合もあります。

3、他の側面からの検査

音韻認識機能の検査(しりとり、単語逆唱、非語の復唱)、視覚認知機能の検査、言葉の記銘力検査などをおこなう場合もあります。

 

このような検査をおこない、読字、書字において次のような特長を確認します。

1、文字を1つずつ拾って読む逐次読みをする

2、単語、あるいは文節の途中で区切って読む

3、読んでいる所を確認するように、指で押さえながら読む

4、文字間や単語間が広い場合は読めるが、狭いと読み誤りが増え、行を取り違える

5、音読不能な文字を読み飛ばす

6、文末などを適当に変えて読んでしまう

7、音読みしかできない、もしくは訓読みしかできない

8、拗音「ょ」や促音「っ」など、特殊音節の書き間違いや抜かし

9、助音「は」を「わ」と書くなど、同じ音の書字誤り

10、形態的に類似した文字「め、ぬ」等の書字誤り

 

 

LD(学習障がい)の子供への対応の仕方

現在、LD(学習障がい)の根本的な治療法はありません。子供に合わせて環境を整えたり、療育をおこなうことによって「困難さ」を軽減できる場合もあり、一人一人の症状、特性をよく理解した上での対処法が必要です。またADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)が併存している場合も多く見られますので、それらを含めた支援が必要となり、家庭、学校、医療関係者の連携が重要です。実際の例をいくつか紹介します。

 

1、読字障がい(ディスレクシア)の対応

ひらがな1文字をしっかり読むことから始めて、徐々に単語やまとまった語句、文章を読めるようにしていきます。単語や語句一つ一つの読み方、意味などを教える事、例文を作ったりと様々なアプローチで語彙力を高めていきます。代わりに音読することやコンピューターの読み上げ機能を活用するなども有効です。

 

2、書字障がい(ディスグラフィア)の対応

書字障がいの場合は読字障がいも併存している場合が多いので、まずは流暢に読めるように訓練します。読むことが安定すると、ひらがなを書くことが上達することが多いです。

 

書字は、なぞり書きから始め、習熟度によって模写や聴写に進み、やすりを紙の下に敷いて書く、目を閉じて書くなど、身体に字を書く事を覚えさせる為に様々な方法を取っていきます。漢字を書くことが難しいときは、漢字の「へん」や「つくり」などの意味と共に覚えたり、語呂合わせで唱えながら書くなど、子供の個性に合った方法を選ぶと共に、コンピューターなどで文章作成の機能を活用することも有効です。

 

3、算数障がい(ディスカリキュリア)の対応

たくさんの問題を解くよりも、少ない問題をゆっくり、丁寧に解くようにしていきます。まずは10の合成、分解をしっかり理解し、少しずつ守備範囲を広げていくように心がけます。わからない問題は、答えだけではなく、答えを導くまでの一つ一つのプロセスを大事にし、しっかり意味がわかるようにしていくのが重要です。

 

まずはこのような困難を抱える子供がいるということを知る、理解することが重要です。一見「努力が足りない」、「怠けている」と見えてしまうこともありますので、誤解してしまわないように、正しい知識を持って対応するようにしていきましょう。

 

 

まとめ

LD(学習障がい)について詳しくみてきましたが、忘れないでほしいのはLDを持つ子供は知的発達に遅れがないということです。自分自身の障がいを理解して受け入れるのに時間がかかってしまう可能性がありますし、本人の「できるようになりたいのに上手くいかない」という気持ちはとてもデリケートなものですので、周りのサポートで自信を持って生活できる環境を作っていってあげるのが重要です。

 

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