ABA(応用行動分析学)とは?療育における考え方や行う際の流れについて紹介
コラム
2023/12/12
「ABAって名前は聞いたことあるけど実際どういうことかよくわからない」
「ABAに関する福祉の仕事がしてみたい」
今回はこのように思われている方に向けてABA(応用行動分析学)について基本的な情報から実際の流れまでお話します。
もくじ
ABA(応用行動分析学)とは

ABA(応用行動分析学)は、行動を理解し改善するための科学的アプローチです。この方法論は、行動を変えるために好ましい結果をもたらすことが必要であるという基本的な考え方に基づいています。ABAは、教育、スポーツ、企業コンサルティング、リハビリテーション、老年学などのさまざまな分野で広く活用されており、特に自閉症児や発達障がい患者の問題行動の改善に効果的です。
ABAの基本的なアプローチは、好ましい行動を増やし、望まない行動を減少させることです。これを達成するために、指導者が重要な役割を果たします。正確な評価と適切な介入が行われなければ、問題行動の改善は難しいです。米国の行動分析士認定協会(BACB)は、ABAの適切な実践を確保するために、国際資格を持つ指導者に認定を義務づけています。
簡潔に言えば、ABAは行動の理解と改善に焦点を当て、好ましい行動を増やし、望まない行動を減らすための科学的手法であり、指導者の適切な指導が不可欠です。これにより、教育、臨床心理学、福祉、医療、産業、社会政策などの多くの分野で成功を収めています。
ABA(応用行動分析学)と療育の関係

ABAと療育は、子供たちの発達や行動のサポートにおいて密接な関係にあります。ABAは問題行動にアプローチし、望ましい行動を育む手法を提供します。療育は、発達の課題や遅れに対処するプログラムで、その中でABAが有益な役割を果たします。
療育では、個々の子どものニーズに合わせたプランが必要です。ABAはその中で特に効果的なツールとして採用され、子供たちが社会的なスキルや日常生活のスキルを身につけるのをサポートします。たとえば、コミュニケーション能力の向上やルーティンの理解を促進するためにABAの手法が活用されることがあります。
ABA療法は、特に自閉スペクトラム症(ASD)や発達障がいの子供たちの療育に広く利用されています。このアプローチは、人間の行動の基本原理に基づいています。基本的には、良い行動を増やし、望まない行動を減らすためのアプローチです。
療育においてABAが重要なのは、行動のパターンを理解し、ポジティブな変化をもたらすことに焦点を当てている点です。療育プログラムとABAを組み合わせることで、子供たちがより効果的に学び、成長するサポートができます。
ABAは好ましい行動を増やすことで、困っている行動を減らすための働きかけを行っています。代表的な働きかけである「ポジティブな強化」と、「行動と結果」についてお話します。
ポジティブな強化とは、望ましい行動が行われた際にご褒美を与えることを指します。研究によれば、個人的に価値のあるものを受け取ることで、その行動を繰り返す可能性が高まります。この方法は、子供たちに時間の経過とともに望ましい行動を学ばせるのに役立ちます。
また、行動と結果の関係も重要です。良い行動には肯定的な結果が、否定的な行動にはマイナスの結果が伴う傾向があります。この原理を利用して、子供たちに望ましい行動を奨励し、望まない行動を抑制します。例えば、子供におもちゃを片付けるように言った場合、おもちゃを片付けた場合には報酬があり、否定的な反応を示した場合には報酬が得られないといった仕組みです。
ABAは、西洋諸国では発達障がい児の標準的な治療法として認識されており、言語能力や社会性の向上、学校への適応などで高い効果が示されています。しかし、日本ではまだABAを提供する施設が限られており、その普及が進んでいるとは言えません。
療育とABAの関係は、柔軟で効果的なソリューションを提供し、子供たちの可能性を最大限に引き出すためのアプローチとして注目されています。これにより、個々のニーズに応じたサポートが提供され、子供たちがより良い未来に向けて成長できるのです。
ABAは、西洋諸国では発達障がい児の標準的な治療法として認識されており、言語能力や社会性の向上、学校への適応などで高い効果が示されています。しかし、日本ではまだABAを提供する施設が限られており、その普及が進んでいるとは言えません。その中でもどのような流れでABAが行われていくのかについて次の項目でお話しします。
ABA(応用行動分析学)を行う際の流れ

ABA(応用行動分析学)は、自閉スペクトラム症(ASD)やその他の発達障害を持つ子どもの療育と発達支援で広く利用されています。このアプローチは、望ましい行動を増やし、困難を引き起こす行動を減らすことを目指します。ABAには主に2つの基本的な原理が関与しています。それは「強化」と「弱化」と呼ばれます。
強化
強化とは、特定の行動の直後に「良いこと」が起きると、その行動が今後起きやすくなる現象です。
例えば、子どもが丁寧に字を書いて先生に褒められた場合、今後も丁寧に字を書く行動が増える傾向があります。
行動を増やすための「良いこと」は「正の強化子」と呼ばれます。これは人によって異なり、行動の頻度を高めるあらゆる刺激が強化子となり得ます。
ある子どもにとって褒め言葉が強化子である場合でも、別の子どもには効果がないかもしれません。強化子は個々に異なるため、各子どもに合った強化子を見つけることが重要です。
一見否定的な事象(例:怒られること)が、注目を集めることによって強化子として機能することもあります。
弱化
弱化は、行動の直後に「嫌なこと」が起きると、その行動が今後起きにくくなる現象です。
スマホを見ながら歩いて転んだ子どもが、その後その場所でスマホを見ながら歩くことを避けるようになるのは、弱化の一例です。
しかし、ABAでは通常、弱化(または罰)はあまり使用されません。研究によれば、日常生活では弱化を使っても行動を減らすことが難しく、関係者に弊害が生じることが多いためです。
ABAのこのアプローチは、子どもの個々のニーズと特性に対応し、彼らの発達と学習をサポートするためにカスタマイズされます。望ましい行動を増やすための適切な強化子の選択と適用が重要であり、不適切な行動を支える要因を理解し、適切な代替行動を促進することが中心となります。
では、続いてABA(応用行動分析学)の実践例を見てみましょう。今回は、ABAの実践的な方法として代表的な手法であるABC分析の例を紹介します。
ABC分析は、特定の行動を改善するために、その行動の背景と結果を分析する方法です。この分析では、事前の出来事(Antecedent)、行動(Behavior)、行動の結果(Consequences)の三つの要素に焦点を当てます。
例えば、小学生の男の子がボールを使いたいと思い、すでに友達が使っているボールを奪って遊び始めた場合、以下のように分析します。
事前の出来事(A):友達が先にボールを使っていた。
行動(B):ボールを奪う。
行動の結果(C):ボールで遊べる。
この分析により、ボールを奪う行動が「ボールで遊ぶ」という結果につながっていることが明らかになります。この問題を解決するためには、次のような対策が有効です。
1、大人が介入し、「貸して」と言ったり「一緒に遊ぼう」と提案するなど、適切な行動を奨励し、不適切な行動を減らす。適切な行動ができたら褒める。
2、ボールを使う順番を事前に決める、または必要な数のボールを用意するなど、環境を整えて、不適切な行動が起こりにくくする。
このように、ABC各場面での結果と原因を明確にし、どの部分をどのようにすれば良いかを子供に教えてあげることで、徐々に改善を見込むことが出来ます。
では、最後に、ABAの考え方に共通するステップをご紹介します。
ステップ1: 問題の原因を理解し特定する
問題が起きたら、まず「なんでだろう?」って考えることが大事です。なぜなら、その行動の理由を知ることで解決のヒントが見つかるんです。例えば、何か欲しいから問題行動を起こす場合もあれば、嫌なことを逃れたいから行動する場合もあります。周りの注目を浴びるためにやることもあれば、行動そのものが気持ちよく感じられるから繰り返すこともあるんです。
ステップ2: 適切な手法を知る
原因が分かったら、適切な対処法を選びます。これには「褒めること」や「問題行動をやめさせること」などが含まれます。たとえば、望ましい行動が出たらすぐに褒めることで、その行動を増やすことができます。逆に、問題行動が起きても絶対に逃がさずに、やるべきことに向かわせることも効果的です。両方を組み合わせて使うこともあります。
ステップ3: 効果があれば継続または改善
実際に行動を変えてみたら、それが効果があるかどうかを見守ります。もし良い変化が見られたら、その方法を続けていくことで問題行動が改善されていくでしょう。逆に、効果がない場合は違う方法を試してみましょう。
ABAは柔軟に使えるアプローチです。トラブルが起きたら、状況や人に合わせて工夫していくことが大切です。ABCフレームを頭に入れながら、臨機応変に対処していくと、良い方向に向かうことが期待できます。
まとめ

今回は、ABA(応用行動分析学)についてお話しました。
ABAと療育は子供たちの成長を支える大切な手段です。ABAについて少しでも知識があれば、福祉関係の仕事で十分役に立つことでしょう。気になる方は、ABAを実施している施設をよく調べてぜひ挑戦してみてください。
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