療育における音楽療法とは?期待できる効果や実施方法について紹介

コラム

2023/12/19

皆さんは音楽療法という言葉を耳にしたことはありますか?

音楽療法は、音楽の力を利用して、個々のニーズや目標に合わせて設計されたセッションを通じて、

心身の調和を取り戻すのを助けることを目的としています。

今回は音楽療法についてくわしく解説していきます。


もくじ

音楽療法とは

音楽療法の期待できる効果

音楽療法を行う際の流れ

まとめ


 

音楽療法とは

音楽療法とは、音楽の持つ特性を活用するプログラムを通してリハビリテーションを行うことです。 

健康の維持、心身の障害の機能回復、生活の質の向上、問題行動の改善などを目的に行われます。 

対象者の障害の有無は問わず、子供から高齢者まで全ての年齢・性別の方が対象となります。

 

音楽療法は、さまざまな側面で利用されています。

具体的なアプローチや手法は、療法士や療法対象のニーズによって異なりますが、

いくつかの一般的なアプローチがあります。

 

1.アクティブ音楽療法

療法対象自身が楽器を演奏したり、歌を歌ったり、身体を動かしたりして、積極的に音楽に参加します。

これにより、表現力やコミュニケーションの向上が期待されます。

 

2.受動音楽療法

療法対象が音楽を聴くことに焦点を当てます。

リラックスや感情の表現、認知機能の向上など、さまざまな目的に使用されます。

音楽の選択は、個々の感情やニーズに合わせて行われることがあります。

 

3.脳音楽療法

特定の音楽や音のパターンが脳の活動に与える影響を利用して、神経学的な機能の向上を図るアプローチです。

認知症患者や神経学的な障害を抱える人々に対して効果があるとされています。

 

音楽療法は、精神療法、身体療法、教育療法、リハビリテーションなど、さまざまな分野で利用されています。

患者やクライアントが感情を表現し、コミュニケーションを促進し、リラックスしたり集中したりする手段として、幅広く応用されています。

 

また、音楽療法は専門的なアプローチ法であるため、大半は「音楽療法士」という資格をもつ人が行います。

現状はまだ民間の資格ですが、国家資格化するための取り組みが進んでいます。

 

音楽療法士の認定を行っている機関は2つあります。

 

日本音楽療法学会における音楽療法士の資格を取得するには、専門学校や大学での3年以上の教育が課せられ、

卒業時に筆記試験と面接試験を受験し、合格した場合資格を取得することができます。

 

また全国音楽療法士養成協議会の認定する養成校を卒業することで、音楽療法士の認定称号を得ることができます。

専修、1種、2種があり、卒業した学校と単位数により取得できる資格が異なります。

専修は修士(大学院卒)レベル、1種は学士(4年制大学卒)レベル、2種は短期大学士レベルとされています。

 

 

 

 

 

音楽療法の期待できる効果

音楽療法は、さまざまなレベルで効果を発揮し、身体的、精神的、社会的な側面に影響を与えることがあります。

以下は、音楽療法の一般的な効果に関するいくつかのポイントです。

 

1.感情の表現と処理

音楽は感情を表現し、解放する手段として機能します。

クライアントは音楽を通じて自分の感情にアクセスし、それを表現することで、心理的な健康を促進することができます。

特に言葉で表現することが難しい感情やトラウマに対して効果的であるとされています。

 

2.リラクゼーションとストレス軽減

特定の音楽やリズムはリラックスを促進し、ストレスや不安の軽減に寄与することがあります。

深い呼吸とリズミカルな音楽は、身体的な緊張をほぐし、心身のリラックスをもたらすことがあります。

 

3.認知機能の向上

音楽療法は注意力や記憶、認知機能の向上に寄与することがあります。

特に認知症や脳損傷などの神経学的な障害を抱える人々に対して、脳音楽療法が効果的であるとされています。

 

4.コミュニケーションの促進

音楽は非言語的なコミュニケーションの手段としても機能します。

特に言葉が不十分な状況や、コミュニケーションが難しい状態にある人々に対して、音楽を通じてコミュニケーションを促進することがあります。

 

5.運動の促進

アクティブ音楽療法では、楽器の演奏や体の動きを通じて運動能力が向上することがあります。

これは身体の協調性や筋力の改善に寄与する可能性があります。

 

6.自尊心と意欲の向上

音楽を通じて達成感や喜びを感じることで、クライアントの自尊心が向上し、治療への意欲が高まることがあります。

 

個々の人によって反応が異なるため、一概にすべての人に同じような効果があるわけではありません。

また、音楽療法は通常他の治療法と組み合わせて使用され、症状や目標に応じて適切なアプローチが選択されます。


 

 

音楽療法を行う際の流れ

音楽療法の実施には、ニーズや目標に合わせて様々なアプローチがあります。

以下は、一般的な音楽療法セッションの流れの一例です。

 

1.情報収集

療法対象を観察したり家族や支援者からの聞き取りを行い、どのような困りごとを抱えているのか把握します。

必要に応じて、対象者の医療履歴や精神状態なども確認することがあります。

 

2.目標設定

音楽療法士と支援者の間で、音楽療法のセッションで達成したい具体的な目標を共同で設定します。

これには感情の表現、ストレスの軽減、コミュニケーションの向上などが含まれる場合があります。

 

3.セッションの計画

目標に基づいて、音楽療法士がセッションの計画を立てます。

これには使用する音楽の種類、アクティビティの形式(演奏、歌唱、聴取など)、およびセッションの進行内容が含まれます。

 

4.セッションの実施

セッションでは、療法対象が音楽に関わるさまざまな方法を通じて、自己表現や探求を行います。

アクティブ音楽療法の場合、楽器の演奏や歌唱、ダンスなどが含まれることがあります。

受動音楽療法では、リラックスや感情の表現を促進する音楽が使用されます。

 

5.振り返りと評価、調整

セッションの終了後、音楽療法士は支援者とセッションの内容についてフィードバックを共有し、進捗や感じた変化について話し合います。

支援者や療法対象自身の感想やフィードバックも重要で、これに基づいてセッションの調整が行われることがあります。

その後、必要に応じて療法プランの調整、新しい目標の設定、アプローチの変更が行われたりします。

 

6.継続的サポート

音楽療法は通常、複数回のセッションを経て効果を発揮することが期待されます。

必要に応じて、療法対象は継続的なサポートやセッションを受けることができます。

 

音楽療法の具体的な流れは、担当する音楽療法士や入所している施設などによって異なることがあります。

上記の流れは一般的な指針であり、実際の実践は個別の状況によって調整されます。

 

音楽療法は、音楽療法を実施している社会福祉法人や特定非営利活動組織(NPO)が運営する障害児入所・支援施設や

発達支援施設、デイサービスセンターなどで受けることができます。

病院では、小児科、精神科、リハビリテーション科で音楽療法を受けることができます。

音楽療法をすべての機関が必ずしも行っているわけではありませんので、事前に機関のWebサイトで調べるか、

電話やメールで連絡をしたほうが良いでしょう。

音楽療法士が常勤なのか非常勤なのか、療法を受けられる頻度、一回の療法時間など、機関によって異なります。



まとめ

いかがでしたか?

音楽という分野から療育にアプローチする音楽療法は、専門性の求められる療法です。

資格の取得に時間はかかりますが、大変やりがいのある仕事と言えるでしょう。

 

療育キャリアではひとりひとりの希望に合った福祉関係の仕事を紹介しています。

登録は無料で簡単に行えますので、是非お気軽にご相談ください。

 

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